商標登録6121255号「トルクル」に関して、商標登録異議申立を行いました。
とりあえず、表題の通りなんですが、結論まとめ3行。
- 商標登録6121255号「トルクル」第9類 コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの)の登録を取り消すよう、特許庁に異議申し立てを行いました。
- 「TorqueL(トルクル)」の販売・配信について今のところ影響はありません(おそらく今後もないと思われる)
- 異議申立ての結果がわかるのはだいぶ先です(年内にわかれば早い方)
商標登録6121255号について
商標登録6121255号「トルクル」は京都機械工具株式会社を権利者として平成30年4月11日に出願、平成31年2月8日に登録、平成31年3月5日に公報されました。
区分・指定は以下のように登録されています。(強調はこちらで付加したものです)
区分 | 指定商品・指定役務 |
---|---|
7 | 金属加工機械器具,動力付き手持工具,インパクトレンチ,ナットランナー,電動ドライバー,電動ドリル |
8 | 手動工具,手動利器,トルクレンチ,トルクスクリュードライバー(手動工具) |
9 | コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの),コンピュータプログラム開発用コンピュータプログラム,製造業における生産性向上を支援するためのシステム用コンピュータプログラム,測定機械器具,トルク測定機械器具,トルクゲージ,ノギス,マイクロメーター,タイヤ空気圧計,深さゲージ,距離測定機械器具,ホイールバランサ,気圧計,ゲージ,電気式測定機械器具,試験装置(医療用のものを除く。),電子出版物 |
37 | 測定機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,手動工具の修理又は保守,動力付き手持ち工具の修理又は保守 |
商標登録6121255号については、日ごろTwitter上などで「TorqueL(トルクル)」の関連情報を収集しているうちに、2018年4月末ごろに商標登録OCRbotのツイートをきっかけに出願に気づき、以来その経過を見守ってきました。
商願2018-45392
— 商標速報 OCR bot (@OCR_bot) 2018年4月30日
🇬トルクル
商標登録6121255号の全情報については以下の固定URLから参照してください。(以下のURLからさらに先のURLについては共有してもうまくいかないことがあります)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/TR/JP4_2018045392/425224C7CE0E1A98AB6A0213CCD6D9EB
異議申立手続きについて
当方は商標法第4条第1項第10号(商標法第43条の2第1号)に基づき、「トルクル」は指定区分・指定役務「第9類 コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの)」について未登録の周知商標であるとして、商標登録異議申立手続き*1をとることとし、特許庁に商標登録異議申立書を提出しました。
商標登録6121255号の権利者である京都機械工具株式会社については、スマートセンシングデバイス「TORQULE(トルクル)」を実際に商品展開しており、商標のフリーライドなどには当たらず、また拙作「TorqueL(トルクル)」とは(商標上の)商品・役務などもかぶっていないものと考えていますが、おそらくスマホアプリなどの展開のために補助的に申請されたと思われる「第9類 コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの)」に限っては、拙作との権利衝突の可能性がある(または商標権の行使により拙作へ影響を与えることが可能である)と考えております。
商標登録6121255号の登録にあたり、京都機械工具株式会社から連絡等のコミュニケーションはこれまでありませんし、先に書いたように商品・役務として直接衝突するものではないと思われるため、当方は京都機械工具株式会社と事を構える気もなく、あくまでも特許庁の判断に異議を申し立てるものです。
そのため、今回の異議申立が認められれず、当該商標の異議申立範囲での取り消しが行われなかった場合においても、先使用権の主張のための法的手続き、当該商標の無効審判手続きなどは(もっぱら手続きにかかる手間暇の問題からではありますが)行わないつもりです。
商標登録異議申立の審理については、商標登録異議期間と(その間に提出されたものの)補正期間が終了してから、6か月から8か月程度と案内されている(PDF)ため、年内に結果が出れば早い方だと思います。
なお、「第9類 コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの)」が「TorqueL(トルクル)」のようなゲームソフトウェアを含むかどうかについては当方は判断がつかず、念のため異議申立てを行っているという面もあることも付記します。(類似群コードだけでは判断が難しく、家庭用ゲームソフト・業務用ゲームソフトなどは別に区分や役務が設定されていることがあるため)
ですので、異議申立てそのものが通らなくても、「第9類 コンピュータプログラム(記憶されたもの又はダウンロード可能なもの)」が「TorqueL(トルクル)」のようなゲームソフトウェアまで及ばないことが確認できれば重畳だと考えています。
記事の最後に今回の商標登録異議申立書と参考にした色々なURLを貼っておきます。
留意事項
今回の異議申し立てにあたって「未登録の周知商標(商標法第4条第1項第10号)」を申立て理由に挙げていますが、周知かどうかの判断は当該商標の出願日時点(あるいはそれ以前)で判断されます。そのため、今から広めようというようなことは(ありがたいことではあるのですが)、異議申し立てには影響しません。
「需要者の間に広く認識・周知されている」の「需要者」とは、いわゆる一般の消費者だけでなく、取引先なども含みます。
「TorqueL(トルクル)」は2014年12月24日より前に各種イベントでの展示や、賞をいただいたことなどもありますが、今回の異議申し立てにあたっては「業として」の判断が容易である2014年12月24日以降の情報を証拠として使用しています。(甲第23号証は許諾周りのやり取りが2014年12月24日以降に行われているため例外的に使用しています)
商標登録異議申立書(一部公開用に修正入り)
参考URL
類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2018版対応〕 | 経済産業省 特許庁
2019.04.26追記
今回の異議申し立ては 異議番号 2019-900082 で通知されています。
*1:本当は審議中に情報提供するのが良かったのですが、情報提供出来ることに気が付いたのが商標登録異議申立書を本格的に仕上げようとしてからでした